メダル狙う新体操日本代表を待つ ロシア女帝の“最終審査”
「女帝」とは、日本が本格的に団体強化を進めてきた05年以降、日本代表ヘッドコーチを務めるインナ・ビストロバ氏(64)だ。日ごろは、ロシア・サンクトペテルブルクを拠点にしており、フェアリージャパンは同地で合宿を張る際にインナ・コーチの厳しい指導を受けている。
毎年、1月上旬に同コーチによる演技確認を経て、W杯初戦を迎える。インナ・コーチの演技チェックはレフリー以上に厳しいと言われ、構成そのものを見直すのは珍しくない。大会前に、たとえ微調整であっても演技を変えるとなれば、メンバーにとっては死活問題だ。選手達が猛練習で築き上げてきた連携技も一からやり直されなければならない。不安を抱えたまま、今季初戦を迎えかねないだけに、山崎本部長は「サンクト(ペテルブルグ)に寄らずに、モスクワ(GP)に入ろうかな」と冗談交じりに話している。
インナ・コーチは過去にも、演技の変更はもちろん、大会直前にメンバーを変更したこともある。同コーチは、かつてロシア代表コーチを務め、ユニバーシアードで6連覇に導いた世界を代表する新体操の指導者の1人だ。今後も難題を突き付けられるのは必至。フェアリージャパンはロシアの女帝との戦いにも強いられる。