ヤクルト奥川の右肘炎症は吉 投球禁止調整もデータが証明
16日、ヤクルト1位の奥川恭伸(星稜)が右肘に軽い炎症があるため、炎症がなくなるまでノースローで調整することになった。奥川は「自分と球団の人と話し合って決めたことなので、ゆっくりやっていこうと思う。自分の弱いところである体幹や可動域を広げるということに取り組めるので、プラスに捉え、体を強くしたい」と、前向きに話した。
この日、新人合同自主トレを視察した小川GMが「ドラフト後の11月にメディカルチェックをした際に右肘に軽い炎症があった。15日に再検査をし、軽くなっているものの、まだ残っている状態なので今日からノースローということになった」と説明。橿淵スカウトグループデスクは、「奥川本人は『大丈夫です』と言っていたが、完全に炎症を取ってから再スタートした方がいいという判断。プロのスタート時点でこの決断をしてよかったと思えるようにやっていこう、という話をした」と語った。
■炎症消えるまでノースロー
当面はノースローで調整し、再検査をして炎症がなくなった時点で、新人合同自主トレがスタートした段階に戻り、ネットスローなどからリスタートする。奥川は昨夏の甲子園後に右肘を中心に疲労が蓄積。その直後のU18W杯のカナダ戦で7回18奪三振の好投を見せたが、本人によれば、当時よりも状態は良くなっているという。ヤクルトとしては、金の卵の育成に慎重の上にも慎重を期す、ということだろう。
これにより、キャンプの二軍スタートが決定的になった。高津監督はじっくりとスケールの大きな投手に育てる意向がある一方で、ドラフト当日には「シーズンの早い段階で一軍に出てきてくれたら。それが開幕ならなおさら良い」と期待を寄せていた。
実際、チーム内には「(神宮開催の)開幕3連戦の先発もある」との声も出ていたが、開幕一軍にも黄色信号がともったといっていい。