著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トップ自ら謝罪 アストロズオーナーが示した危機管理能力

公開日: 更新日:

 昨年11月に発覚した時点では問題視されなかったアストロズによる「サイン盗み」問題は、今年1月に入って球界の一大事となっている。

 13日にはロブ・マンフレッド・コミッショナーが声明を発表し、2017年から18年にかけてアストロズが「サイン盗み」を行っていたと断定した。そして、アストロズには、ジェフ・ルーノウGMとアンドリュー・ヒンチ監督の1年間の資格停止などが科された。

 一方、大リーグ機構による処分を受けたことで評価を下げたものの、筆頭オーナーであるジム・クレインがルーノウとヒンチの解任を自ら発表したことは、アストロズの危機管理能力の高さを示している。

 危機管理における禁じ手のひとつは、対応策を小出しにすることだ。不祥事を起こした側に共通するのは、周囲の様子を見ながら、事態を穏便に処理したいという心理だ。また、上層部の責任を問われることを避けるため、より下位の職にあるものが説明を行うということも珍しくない。

 だが、対応策が小出しにされると、周囲は「まだ、何かを隠しているのでは?」と思うものだ。そして、このような疑念に対応するために追加の措置や、より上位の者が登場することは、人々に「やはり、やましいことがあったから何かを隠していたのだ」と信じさせることになる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…