U-23現地取材で見えた 東南アジアサッカーの「光と影」
今大会には、東南アジアからもふたつの国が出場した。ベトナムとタイだ。A代表を筆頭に男女問わず、各世代で東南アジアを席捲しているベトナムだが、今大会は2分け1敗と良いところなくグループステージで散った。 しかし、昨年12月に行われた<東南アジア版オリンピック>シーゲームスでは、見事に男女同時優勝を飾った。
近年のベトナムサッカー躍進には、援助を惜しまないベトナム系巨大コングロマリット「ビングループ」の存在が大きく影響している。ベトナムサッカー連盟とタッグを組み、2024年のパリ・オリンピック、2026年のカナダ・メキシコ・アメリカ共催ワールドカップ出場を目指して日々、強化が進められているのだ。東南アジアサッカーは“赤き時代”へ突入したと言っても過言ではないだろう。
■強化は一日にしてならず
そのベトナムに苦渋を飲まされ続けているタイだが、今大会は地の利を味方にグループステージを突破してみせた。52年ぶりのオリンピック出場まで<あと勝利ふたつ>というところまで健闘したが、その夢も準々決勝で潰えてしまった(サウジアラビアに0-1で敗退)。そのサウジアラビア戦後の会見でのタイ代表監督・西野朗の話が実に腑に落ちるものだった。