広島・山田コーチ 星野監督が指導した地獄の浜松キャンプ

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「あれは入団3年目、秋の浜松キャンプだった」

 山田コーチがこう言って目を細めた。

 83年ドラフト4位で中日に入団。当時指揮を執っていた山内監督は86年シーズンで退団、後釜となった星野仙一監督が秋季キャンプを前に選手に放った一言を、山田コーチは忘れられないという。

「いきなり『おまえら、覚悟しとけよ』だからね(笑い)。僕ら選手は、一体何をするのかドキドキ。いざキャンプが始まったら、朝からずーっと走らされる。それに加えて、ノックでゴロ捕球の練習ときた。ノックでは左右に振られるわ、飛び込まなきゃいけない打球を打たれるわ。僕ら若手だけでなく、一軍の選手もゴロ捕ばかりだった」

 星野監督は当時39歳。スパルタで鳴らす指導は、就任直後の浜松キャンプが原点だ。

「中には『バッティングなんてせんでええ! おまえはゴロ捕っとけ!』と、ノックだけで一日が終了することもあった。練習試合なんかもやったけど、出ない選手はずっとノックか走るか。ようやく練習が終わって、宿舎に帰るバスに乗り込んだはいいものの、いざ降りる段になったら両足がつって動けなかった(苦笑い)。あれはきつかったけど、そのおかげで今がある。その後は一軍で試合にも出してくれるようになりましたからね」

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