柔道なのに寝技練習禁止? 濃厚接触回避でコロナ感染防ぐ
新型コロナウイルスは日本のお家芸にも暗い影を落としている。
全日本柔道連盟は27日、都内で強化委員会を開き、東京五輪代表に世界選手権2連覇中で女子52キロ級の阿部詩(19)ら男女合わせて12人を選出。阿部一二三(22)と丸山城志郎(26)が争う男子66キロ級は全日本選抜体重別選手権(4月=福岡)後に決まる。
今回選ばれた12人はいずれも世界選手権での表彰台を経験。特に女子はいずれも銀メダル以上を獲得しており、史上最強の呼び声が高い。本番では金メダルラッシュに沸く可能性もあるが、ここに来て暗雲が垂れ込めてきた。
競技の性質上、練習から身体の濃厚接触は避けられず、練習相手が保菌者であれば、コロナウイルスの感染リスクは極めて高くなる。7月25日の競技初日まで5カ月を切っており、代表選手がウイルスに侵されれば一大事。感染を防ぐため、選手の所属先の多くが、当面は練習での寝技を禁止するという。
立ち技を得意とする男子に比べて、女子は寝技を武器とする選手が少なくない。2018年の世界女王で「寝技師」の異名を持つ78キロ級の浜田尚里(29)のように、抑え込みで活路を見いだすタイプの選手は、調整不足で本番を迎えることにもなりかねないのだ。
女子がメダルを量産するには、立ち技を磨くしかなさそうだ。