不振なでしこの光明はFW田中美南 初代監督が語る得点感覚
米国遠征中の女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)が、日本時間9日午前3時23分キックオフのイングランド戦を0―1で落とし、初戦のスペイン戦(1―3)に続いて2連敗となった。
「スペイン戦よりも守備が整備され、前線からのプレッシングもかかっていた。攻撃もイングランドのプレスがスペインよりも緩く、ある程度はボールを回してシュートも打てた。しかし、最終ラインからのビルドアップの最中にミスが多く、なでしこらしいパスワークが見られず、なかなか効果的な攻撃にはつながらなかった。東京五輪でスペイン、イングランド戦のパフォーマンスしか発揮できなかった場合、メダル獲得は非常に厳しいと言うしかないでしょう」(初代なでしこ専任監督の鈴木良平氏)
それでも<ひと筋の光明>は見いだせた。
史上初の4年連続得点王と2年連続MVPの金看板を背負って1月、日テレからINAC神戸に電撃移籍したFW田中美南(25)である。
「高倉監督体制になってから代表招集が激減した田中だが、代表級FWの中で<相手DFの裏を抜け目なく突いてゴールを陥れる>能力が際立って高い。イングランド戦に先発した田中は、味方CBからのロングボールに好反応。相手CB2人に挟まれながらゴール前まで攻め入ったり、守備的MFからの縦パスを受けて相手CBと競り合いながらシュートに持ち込んだり、十分に持ち味を発揮した。彼女の鋭い得点感覚は、なでしこに必要不可欠なものです」(前出の鈴木氏)
田中は1月、神戸移籍の発表会見で「東京五輪で活躍するために決断した」と言い切った。
なでしこの大黒柱MF岩渕真奈(26)と神戸内でコンビネーションを高め、そのまま<なでしこでも2人が攻撃の核となる>ことを田中はもくろんでいる。