五輪開幕確信のバッハ会長 “2度目の手のひら返し”に要注意
東京五輪開幕まで約4カ月しかない。本気で開催できると思っているのは、おそらく一部の人に過ぎないだろう。それでもバッハ会長は今のところ五輪中止に関するコメントは発していない。
■ベタ褒めが一転、マラソン会場を札幌に移転
「しかし、突然中止を言い出しても驚くことではない」と言うのは、スポーツライターの津田俊樹氏だ。
「バッハ会長は何を根拠に東京五輪の成功に自信を持っているのか。この人の言葉が信用できないことは、昨年の一件からもよくわかる。それまでは東京の暑さ対策をベタ褒めしておきながら、9月の世界陸上(ドーハ)の女子マラソンや競歩で、酷暑により途中棄権者が続出すると、東京五輪のマラソンと競歩の会場を東京都に何の相談もなく、突然札幌に移転させた。ドーハの惨状を繰り返せば、選手や指導者たちから健康被害の責任を追及される。それを恐れたのでしょう」
さらに津田氏は続ける。
「IOCは東京五輪の無観客開催や中止も考えているはずです。米NBCが払う2014年ソチ五輪から20年東京までの4大会の放映権料の合計は約44億ドル。東京五輪だけで14億ドル(約1464億円)以上ともいわれている。スポンサー収入も莫大で、巨額な利益を逃したくないIOCは、東京五輪の中止は絶対に避けたい。ですが、日本の感染状況を知っている世界各国の五輪委員会はIOCに対し、中止発表の時期について問い合わせしているはずです。中止の判断を遅らせれば厳しい批判にさらされるのは間違いない。