大谷翔平“8年300億円”超大型契約の現実味…FA取得前に先手
1年目は35億円の働き
メジャーには「WAR」と呼ばれる勝利への貢献度を数値化した指標がある。
大谷は1年目の18年、野手としてのWARが「2・7」、投手としては「1・3」、合計で「4・0」だった。2年目の19年は、野手のみの出場でWARは「2・5」だ。WAR「1・0」の価値は8億6400万円といわれるから、二刀流を実践した1年目は実に35億円近い働きをした計算になる。
1年目は右肘の故障でシーズン途中に離脱、オフに靱帯を再建するトミー・ジョン手術を行った。2年目は左膝の故障でシーズンが終わる前に早々と戦列を離れ、やはり手術をした。ともにシーズンをフルに働いたわけではないにもかかわらず、WARは秀逸だった。
■必要不可欠な存在に
2度にわたる手術によって、大谷の右肘や左膝は万全に。今季はすでにオープン戦で野手としてプレーしたばかりか、投手としてもコロナ禍でズレ込んでいる開幕に間に合う見込み。二刀流がフルに稼働しそうなのだから、1年目のWARをもとに換算した年35億円分以上の活躍が期待できる。
実力に加えて若さ、二刀流の価値、FA取得後の年俸の急上昇を加味すれば、エンゼルスの300億円超の先行投資は十分、あり得る話なのだ。
「マドン監督は大谷の登板日に打席にも立たせると話しています。開幕投手は左腕のヒーニーが務めるでしょうが、彼の昨年の防御率は4・91。昨年、メジャーデビューした有望株のキャニングも肘の不安がささやかれています。要は明らかに先発投手が足りない。大谷への依存度や、その存在感は過去2年以上に大きなものになる。エンゼルスにとって、大谷は必要不可欠な存在。これまで大型の長期契約を結ばなかったことが不思議なくらいです」とは前出の友成氏だ。