著者のコラム一覧
平井隆司デイリースポーツ元記者

1942年、大阪府出身。旅行会社に就職するも4年で退社、デイリースポーツへ。阪神の担当記者として数々の事件や騒動を取材。デイリースポーツ編集局長やサンテレビ常務など、神戸新聞グループの主要ポストを歴任した。著書に「猛虎襲来」「阪神タイガース『黒歴史』」。

田淵が西武に移籍した途端、自宅に請求書が送られてきた

公開日: 更新日:

 時の球団社長(阪神電鉄本社専務)の小津正次郎におべっかを使っていたから、まさに我が物顔、顔パスで球場に入ってきた。まるで田淵のタニマチ気取り。選手のロッカールームにさえズカズカと入っていった。実際、田淵の歯をよくチェックした。ついでに他選手の歯をみることもあった。

■「治療費はいらない」と言っていたが…

 田淵はその都度、治療費を払おうとしたが、「おカネ? いらない、いらない。いいんだって」と、受け取ろうとはしなかった。歯科医の顔には「私はあなたのタニマチだから」と書いてあった。

 時は流れて、1978年、田淵が西武へ放出された。すると先の歯科医から田淵宅に請求書が送られてきた。それまでの歯の治療費〇〇万円を頂戴したい。

「だからその都度、カネを払おうとしたんじゃないか。それがトレードされたら、はい、請求書だって? バカにするなよだよ」
――で、その請求書は破ったの?

「そんなもん、すぐ送金したさ。すぐ、すぐに」

 あれは岡田彰布が阪神監督だった2006年だったか、2007年だったか。

「おまえっ、有頂天になるなっ!」と若い選手を叱ったことがある。

 (つづく)

 =敬称略

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