著者のコラム一覧
平井隆司デイリースポーツ元記者

1942年、大阪府出身。旅行会社に就職するも4年で退社、デイリースポーツへ。阪神の担当記者として数々の事件や騒動を取材。デイリースポーツ編集局長やサンテレビ常務など、神戸新聞グループの主要ポストを歴任した。著書に「猛虎襲来」「阪神タイガース『黒歴史』」。

若いのがタダ飯を食い始めると野球を舐めてかかるように

公開日: 更新日:

 右打者の内側をえぐるシュート球を名人芸でヒットにする山内一弘がエース・小山正明との交換トレードで阪神に入団。すると、それまで貧打といわれたタイガースは1962年の優勝から1年置いただけで再び優勝した。

「そら、うれしかったさ。勝っていなきゃあ、ファンから“小山を返せ、山内出てけ!”ってボロクソに罵声を浴びたろうからね」

■帰りに分厚い小遣い

 ――タニマチはまた増えた?

「増えた。毎晩よ、飲め、食べろ。帰りに封筒よ。そうさ、分厚い小遣いをもらってさ」

 お相撲さんと同じ、ごっつぁんの世界を山内も知った。ごっつぁんのどこが悪いのか。

 山内は言う。

「断り切れないことはある。でもさ、若いのがタダ飯を食い始めると、悪い癖のようなもんで、本職の野球を舐めてかかるようになるんだな。わしはその辺はわきまえていたがね」

 山内一弘は4年間の在籍で阪神から去る。その時、35歳。当時なら現役よさらばが普通の年齢だったにしても、阪神の4番としては短命である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…