本物のタニマチは半人前の若いやつらに夜の遊びは教えない
阪神監督の岡田彰布に「有頂天になるな!」と叱られた若い選手は、どのような過ちを犯したのか。
ある夜。大阪城から程近いホテルの広い宴会場で、長い横断幕が目立つ宴が催された。横断幕には「阪神タイガース〇〇〇〇選手を励ます会」とある。
プロ入りして3年目の野手で、野性的なイケメン。一軍ベンチの経験は2、3度あるが、140キロの速球と外へ逃げるスライダーにバットが対応できない。かといって守備力も目を見張るものはなく、数試合でファームに戻った。
そのような半人前の若手が今、激励会の舞台の中央に立ち、挨拶をしている。
「頑張ります」「応援よろしくお願いします」
紋切り型の言葉をしゃべるだけで舞台を降りると、主催者……いわゆるタニマチのテーブルに座り、こびを売る。隣のテーブルからサインを求めるファンが何人も来ると、その都度、握手、笑顔、笑顔で一夜を過ごした。
■最後は選手の自覚