伝説のコーチが驚愕した清原和博の“流し打ちドーム看板弾”
内田順三(前巨人巡回打撃コーチ)
昨季まで巨人でコーチを務めた内田順三氏は、50年間のユニホーム生活を振り返り、「巨人時代の清原の逆方向への打球が印象的」と言う。
2001年の東京ドームでのヤクルト戦。外角低めを右翼スタンド上部にある長嶋茂雄監督の看板(セコム)に直撃させた本塁打がある。
「一軍打撃コーチとして目の当たりにしたのですが、流し打ちで看板に当てる飛距離に度肝を抜かれました。ヘッドスピードが速いのは言うまでもないが、下半身の回転をギリギリまで我慢しながら、インパクトの瞬間に軸足を使って右腕を強く押し込める。バットの面が変わらないから、流しても引っ張ったような強い打球が飛ぶのです」
松井秀喜の打球も破壊力があった。
「ギリギリまでボールを呼び込んで下半身の回転力を使う。ケタ違いのスイングスピードと全身のパワーをボールにぶつけて飛ばす。ジャストミートした打球は『カーン』という乾いた音ではなく、『グシャッ』という音がした。ボールがバットに潰される音ですね。外国人選手の打球で同じ音がすることはあっても、日本人であの音がしたのは松井くらいでした」