河西昌枝は顔面蒼白…長嶋の婚約で周囲は身投げを心配した
1964年東京五輪・女子バレー金メダル 河西昌枝さん(下)
「河西さん、海に飛び込むかもしれん!」
「そうや、つかまえておかなあかんわ!」
1964年東京オリンピックが終了して1カ月後の11月末。金メダルを獲得した東洋の魔女は、中国や香港に遠征し、船での帰途のときだった。
長嶋茂雄が婚約発表したことをニュースで知った河西昌枝は、顔面蒼白となった。
それを見た選手たちは、冒頭のような叫び声を上げたのだ……。
元NHK大阪放送局スポーツ部ディレクターの毛利泰子が証言する。
「帰国後に選手たちから聞いた話ですが、長嶋さんの婚約を知った河西さんは、ひどく動揺していたそうです。長嶋さんを好きなのを選手たちは知っていたため海に身投げするかもと心配し、ずっと河西さんを見守っていたんですね」
そのショックも時が癒やしてくれたのだろう。32歳になる2カ月前の翌65年5月、河西は当時の首相・佐藤栄作、寛子夫妻の媒酌で2歳年上の自衛官と晴れて結婚した。