著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

大学時代にキャプテン務めた日本代表は厚生課の仕事に不満

公開日: 更新日:

1964年東京五輪・サッカー代表 継谷昌三さん(上)

 いかにサッカーオタクといえども「継谷昌三」の名を知っている者は少ないはずだ。元日本代表監督・加茂周に彼の名を告げると、懐かしむように言った。

「継谷? 昌三だろう。大学(関西学院)時代の仲間で、東京オリンピックの代表に選ばれた中盤のええ選手だった。でも、若くして亡くなった。いろんな面で繊細だったかもしれん。死因は酒だろうな。よう神戸辺りで飲んでいたと聞いとる……」

 身長167センチ、体重約60キロ、小柄ながら50メートルを6秒台で走る関学時代の継谷は、1959年アジアユース大会(マラヤ)や62年アジア大会(ジャカルタ)に出場。64年東京オリンピック開催の前年に三菱重工業に入社し、日本代表入り。将来を嘱望されていた有望選手だった。

「昌ちゃん、酒はほどほどにせんと。体にええことあらへんわ」

 友人や昔のサッカー仲間から何度忠告されても、連夜のごとく地元神戸の繁華街に出没。ハシゴ酒に明け暮れていた。太った体でカウンターにもたれて、多少震える手でビールをイッキ飲み。日本酒もウイスキーも好んだ。それが晩年の酔いどれ継谷の姿だった。精悍な顔つきだった現役時代の面影は失せ、誰もが「継谷は完全なアル中やった」と語った。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    森保ジャパン「W杯初8強入り」の条件とは…世界最速&代表史上最速で本大会切符も、課題だらけ

  2. 2

    森保J攻撃の生命線…FW伊東純也がスタッド・ランスで絶不調の深層 すべてのプレーで《らしさがない》と専門家

  3. 3

    森保J長友佑都 痛々しいまでのハシャギぶり…貴重な代表選手枠にただの「盛り上げ役」は必要なし

  4. 4

    日本代表森保監督の「欧州移住計画」にJが大ブーイング! コーチ陣への不平不満にまで飛び火

  5. 5

    日本代表FW上田綺世に「いくらなんでも」の仰天高評価…明日のバーレーン戦1トップ予想

  1. 6

    J1に異変!2連覇の神戸が開幕から5戦未勝利「3つの元凶」…選手間にはフロント幹部への不信感も広がる

  2. 7

    マインツ佐野海舟「不同意性交疑惑」乗り越え森保Jで“遠藤航の後継者”へ…代表入りほぼ確実

  3. 8

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  4. 9

    もう「草サッカーのレベル」なのに…キング・カズ「還暦プロサッカー選手」に現実味

  5. 10

    2030年W杯開催100周年記念大会 出場国「48→64」増大案は《金づる中国》と《金満中東》への救済措置か

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由