部長の琴線に触れた中部地区の遊撃手は脚力と肩に強さ

公開日: 更新日:

「結果だけ見ればそうかもしれないが……」

 甲子園の交流試合は16試合で3本塁打。視察してきた部長に、「特に野手はパッとしなかったんじゃないですか?」と水を向けると、こんな答えが返ってきた。

「花咲徳栄の井上、明石商の来田、東海大相模の西川、履正社の小深田……このあたりがボカスカ打てば評価も上がったかもしれない。重要なのはプロで通用するだけのものを備えているかどうか。脚力、肩の強さ、バットスイングの軌道や振りの鋭さなどは、結果にかかわらずチェックできる。それを見極めるのがオレたちの仕事だからな」

 今年の甲子園は、1球団につき2人のスカウトしか入ることができなかった。ウチは部長やエライさんたちが交代でチェックして、オレは当然のことながら留守番。他球団もだいたい似たような体制だろう。最初はオレの目を信用してないのかとムカついたけど、1試合という限られた中で選手の能力を見極めるのは至難の業だし、責任も大きくなる。実は甲子園組から外れてホッとしてる部分もある。

「野手のグラブさばきや肩に関しては、試合前のノックがかなり参考になった。ただ、やっかいなのは足だ。一塁まで走るスピードをストップウオッチで測るんだが、打った直後の体勢によってタイムも違う。やたらと足が速く回転してるように見えて実は遅いのがいるかと思えば、逆にどう見ても速そうじゃないのにストライドが大きくタイムが秀逸なのもいる。チェックする機会の少ない高校生の評価に関していえば、今年は球団によってかなり差が出るだろうな。ま、性格も含めて最終的にはおまえたち担当スカウトの調査が重要になるんだぞ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動