ソフトバンク栗原 プロ入りしても変わらぬ謙虚さと向上心
栗原陵矢(ソフトバンク 捕手6年目・24歳)
開幕から全試合に出場し、打率・261、11本塁打、45打点(8月31日現在)。昨季まで5年間で一軍出場46試合だった男は、8月11日のオリックス戦から9試合で4番に抜擢され、同28日の日本ハム戦では自身初の1試合2本塁打を放った。
打点は柳田に次ぐチーム2位。リーグ2位の得点圏打率・400の勝負強さを買われ、今や、タレント揃いのチームで堂々と「中軸」の看板を背負う。
そんな栗原が野球を始めたのは、小学校1年生のとき。地元の少年野球チームに所属し、5年生になると硬式チームの福井ボーイズに“特例”で入団、中学生に交じって汗を流した。3つ上の姉がいたことや、1歳の頃から保育園に入って多くの大人や上級生に囲まれていたこともあったのだろう。この特異な環境にも適応することができたようだ。
福井ボーイズの南博介監督が当時を振り返る。
「みなから弟分のように可愛がられていました。明るくてコミュニケーション能力が高く、独特な言葉のチョイスで人の心をつかむのが上手でしたね。当初は体もできていなかったので、下積みのような感じで声出しや球拾いなどをさせていましたが、試合に出られなくてもいつも一生懸命な子だった。声変わりしていない高い声で精いっぱい仲間を鼓舞する姿を覚えています。喉が潰れて声が出なくなったこともある。病院に行くと『声を出さないように』と注意を受けたのですが、翌日もまたガラガラの声で叫んでいました(笑い)」