<4>ロシアへの思い残し、ブラジルW杯後に代表引退を口に
しかし、本人は「結果がすべて」とキッパリ。「代表を退くことを考えている」とまで発言して物議を醸したが、すべては右ひざと折り合う難しさゆえ、だった。それでも本音の部分では、ロシアで集大成を飾ることを熱望していた。
ハリルホジッチ監督体制の初陣となった15年3月のチュニジア戦(大分)、続くウズベキスタン戦(東京)に強行出場。シャルケで試合に出ていなかった時期だけに関係者は驚きを隠せなかったというが、「足はもう諦めてるんで大丈夫」と言い、ムリにムリを重ねようとした。
まさかこの2連戦が代表ラストになってしまうとは……。<W杯に愛されなかった男>の華麗な攻め上がりとクロスはもう見ることができない。 =つづく
■うちだ・あつと 1988年3月27日生まれ。静岡・函南町出身。清水東高から2006年に鹿島入り。クラブ史上初となる高卒ルーキー開幕スタメンを果たし、プロ初得点を17歳11カ月22日で決めた。J3連覇の立役者となり、10年7月にドイツ1部シャルケに移籍。10―11年シーズンの欧州CLでは日本人最高位となるベスト4入り。18年に鹿島復帰。20年8月20日に引退を発表した。08年1月に日本代表デビュー。W杯は10年南ア、14年ブラジルと2大会連続メンバー入り。A代表74試合。