ドラ1候補・明石商中森の母が明かす プロ志望表明の舞台裏
進学か、それともプロか――。進路を決めかねていたといわれるドラフト1位候補、明石商(兵庫)の中森俊介(3年)が10日、プロ志望届を提出した。1年の夏から3季連続甲子園出場。昨年はチームを春夏連続4強に導いた右腕に対しては、プロもその進路に注目していた。8月の甲子園交流試合では群馬の桐生第一戦に先発。2失点で完投勝利を収めたにもかかわらず、「完封できればプロでできるという自信になる。そういう気持ちでマウンドに上がったが、9回2失点。まだまだ実力が足りない」と話していた。早くから大学進学が濃厚とされ、明大が獲得に熱心だったといわれる中、プロ志望届を出した裏に何があったのか。進学に未練はないか。母・美幸さんに話を聞いた。
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――大学進学が濃厚とされていたが、なぜプロ志望届を出したのか。
「小さい頃からプロ野球選手を目指して、自分で計画を立ててやっていました。『(進路を)迷っている』とは言っていましたが、やはり、プロへの気持ちの方が強かったのだと思います」
■父も「大学は行きたいときに行ける」
――結論に至るまでどのような経緯があったのか。
「今月の頭くらいに『結局どうするん?』という話をしたら、『自分的には(プロに)挑戦してみたい』と。主人も、『大学は行きたいときに行ける。プロの世界は4年後だとどうなるか……。チャンスがあるときに行ってみたらどうか』と後押しをしました。それで本人も意思が固まったようです。それに、前々から明石商の狭間善徳監督に、『おまえは体がホンマ硬いし、大学よりも設備の整ったところで、良いトレーナーにケアしてもらいながら挑戦したらどうか』と言ってもらっていたこともあります」
――いくつかの大学、特に明大から熱烈オファーを受けたそうだが。
「私たちの方には来ませんでしたが、本人や狭間監督には話があったようですね。熱心に誘ってもらったようで、それで悩んだというのもあります」
――ご両親としては子供の進路について、大学とプロのどちらを望んでいたのか。
「正直、どちらでも構いませんでした。俊介が望むところに進んでほしいという思いだけです。私たちはそれを応援します」
――ドラフト1位候補の子供を持つ、中森家の教育方針とは。
「小さい頃から『プロに行きたい』と言うので、『それなら私生活と勉強はちゃんとやりなさい』と言ってきました。俊介も勉強は好きみたい。論理的にものを考える子なので、得意科目は数学らしいです。私たち夫婦は共働き。家には私の祖母も一緒に暮らしていますが、家事は家族全員の当番制にしているので、俊介も家のことなら全部できますよ。いつでもお嫁さんに出せます(笑い)」