“正代は大関昇進チャンス”と尾車事業部長 協会が急ぐワケ
23日、9月場所11日目にABEMAの解説をしていた中村親方(元関脇嘉風)が、「正代、大関とりもあると言われています」と水を向けられた際の話だ。
中村親方は「そうなんですか?」と腑に落ちない様子で、「昔は大関とりの場所だと言われて、力士もその場所に臨んだものですけど」と続けた。大関とりという重圧の中、勝ち抜く精神力も求められるということだ。
今場所前、正代の大関とりは一切話題にならなかった。それが場所中、尾車事業部長(元大関琴風)が突然、「優勝なら大関昇進のチャンス」と言ったのだ。
正代の直近2場所の成績は8勝(3月場所)、11勝(7月場所)。昇進基準は直近の3場所33勝とはいえ、起点が8勝では大関とりはどう考えても無理がある。なぜ、正代の昇進を急ぐのか。
「過去にも豪栄道がそうだったように、場所中に突然大関とりの話題が出て昇進した力士もいる。ただ、今回は将来の横綱不在を憂いてのものでしょう。白鵬、鶴竜はケガと衰えでいつ引退してもおかしくないが、朝乃山は今場所いきなり3連敗したメンタル、貴景勝は相撲が安定しないという欠点がある。そこに成長著しい正代を新大関にして競争を促すことで彼らに危機感を与え、切磋琢磨させたいのでしょう」(ある親方)
正代は今年3度も優勝争いに絡むなど実力十分なのは確かだが――。