翔猿がV争いトップ 押し相撲で進化、出稽古禁止も追い風に
俊敏な相撲でライバルを制した。
24日、新入幕の翔猿(28)が2敗で並ぶ若隆景と対戦。立ち合いで変化した若隆景に翻弄されることなく素早い対応を見せると、最後は叩き込みで決着をつけた。
この日は大関貴景勝が不戦勝、正代も宝富士に勝って2敗をキープ。翔猿を含めたこの3人が優勝争いのトップ集団を走っている。
仮に翔猿優勝なら、106年ぶりの快挙。新入幕力士の優勝は1914年5月場所の両国勇治郎以来、ひとりも出ていない。近年では14年に逸ノ城があと一歩まで迫ったものの、13勝2敗の優勝次点だった。
親方のひとりは「翔猿はここ数場所でだいぶ変わった」と、こう話す。
「以前はしこ名通り、変化はするわ、跳びはねるわとせわしない相撲。安定感に欠け、十両でなかなか勝ち越せずに本人も悩んでいた。それが3場所前くらいから、下から下から突き上げるまっとうな押し相撲で勝負するようになると、一気に十両を抜け出して新入幕。今場所も硬くならずにリラックスし、相撲を楽しんでいるフシすらある」