注目のタイトル争い 三冠王3度の落合は自己チューだった
プロ野球の公式戦も約3分の2を消化し、優勝争いだけでなく、個人タイトルも注目される時期になってきた。
タイトルといえば、プロ野球史上ただひとり、3度の三冠王に輝いたのが落合博満氏だ。中日時代、なかなか勝てないチームの状況に首脳陣が落合にこう語りかけたという。
「落合、4番打者なんだから、得点圏に走者がいる時は、少々ボール気味のボールでも打って走者を返してくれ」
4番打者は「クリーンアップ」と言われる。塁上の走者を一掃してホームに返すのが仕事だ。4番がチャンスに打てばチームの士気も上がる。四球を選んでチャンスを広げるのが本来の役割ではない。しかし、当時のコーチのひとりは「それでも落合の打撃は変わらなかったね。ボールを選んで際どいコースには手を出さなかった」と話していた。ボール球に手を出せば自分のバッティングフォームが崩れるかもしれない。そうなれば、自らの成績、強いては年俸にも影響すると考えたのだろうか。
タイトル争いでは、こんな話も聞いたことがある。