ドラフト候補の“アタマの中身”の探り方 監督にはこう聞く
「いやね、今年の夏の代替大会をチェックしてたら、目当ての右腕が捕手のサインにほとんどクビを振らないんです。だから、あの子は自分で投球の組み立てを考えないんですか? って聞こうと思ってますけど」
ストレートは速いうえ、カーブのキレもいい。ただ、コントロールが多少アバウトだし、いつも捕手のリード通りに投げている。ここはどう考えてもカーブだろうという場面でも、捕手のサインにうなずいてストレートを力いっぱい、放っていた。それが気になって、疑問を監督にぶつけてみようと思ったんだ。
「おまえにしちゃ、上出来じゃねーか。ただ、それをストレートに聞いちまったら、監督は面白くねーだろうな。あのピッチャーは何も考えてないんですか? 教育してないんですか? って言ってるようなもんだろ。オレがそう聞かれたら、キャッチャーをたててるとか信頼しているとか、そんなふうにはぐらかすぞ」
それなら、どう聞けばいいのか。答えに窮していると、部長が自分の経験談だと例に出したのはこんな感じだった。
「どうも体の開きが早いように思うんです。その辺りが気になるんですけど、どうなんでしょう?」