奈良・山辺高サッカー部に今度はパワハラ疑惑 校長を直撃
31日開幕の全国高校サッカー選手権に初出場する奈良県立山辺高(奈良市)で、部員3人が指導者の元Jリーガーによるパワハラを理由に退部していた。同校サッカー部を巡っては8日、今年8月に部員6人が、9月には部員10人が、寮の自習室で飲酒していたことが発覚したばかりだ。
部員が生活する寮は、興津大三氏(46)が監督を務める民間団体「ボスコヴィラサッカーアカデミー」が管理・運営し、部員はボスコに所属。2018年から部員を指導している興津氏に対し、複数の保護者から県サッカー協会にパワハラに関する相談があり、協会は今年4月5日付で厳重注意処分にした。
協会によると、興津氏から「おまえが辞めてくれたらチームは良い方向に行くと思う」「根性が腐っとる」と暴言を浴びせられ、皆の前で名指しで「オレの悪口を何言うたか、言ってみいや」と威圧され、胸のエンブレムを小突かれ、叩かれたとの相談があった。興津氏は6月、別の元部員2人からパワハラで退部に追い込まれたとして、損害賠償請求訴訟を起こされている。
「1月に興津氏に事情を聴きました。部員の証言はかなりの数に上り、一つ一つ確認しましたが、一切認めず、『(相談した)選手に対する指導は確かに他の選手より多かった』と言うにとどまりました。興津氏本人が発言を認めず、証拠となる音源や画像もありませんが、1年半にわたって同様のことが起きている。部員が訴えた内容がよく似ていることから、指導者として改善してもらうため、厳重注意処分としました」(協会担当者)