成績だけではない…プロ野球選手の年俸を決める「顔と格」
プロ野球は選手の年俸更改交渉の時期である。選手は球団事務所で球団幹部と交渉。その後、待機する担当記者と交渉の中身、来季の年俸などについて話すことになっている。とはいえ、選手はいつも年俸金額を正直に明かすわけではない。
お金のことはあまり言いたくないものだが、中には球団から「ストップ」がかかるケースもある。
巨人の話だ。ある年、大活躍した若手選手が交渉を終えて、記者の前に現れた。表情は晴れ晴れとしているので、希望した年俸で契約できたと思ったが、選手が話した年俸は活躍の割に低かった。
「もっとアップしてもよかったのでは?」
記者が聞いても「そうですね」と曖昧な返事だった。後年、球団幹部に当時の話を聞いて納得した。実は選手にこう頼んでいたそうだ。
「記者に聞かれても金額は正直に言わないで欲しい。○○円と言ってくれないか」
選手は何か事情があるのだろうと思い「分かりました」と引き受けてくれたという。幹部はこう続けた。