FA“売れ残り”田中将大の契約ネックは「右肘の耐久年数」
今オフのFA市場で売れ残っている日本人右腕にケチが付いた。
ヤンキースからFAになっている田中将大(32)の健康面が不安視されているというのだ。米全国紙「USAトゥデー」などに寄稿するスポーツライターのパット・ラガッゾ氏によれば、前ヤンキース監督のジラルディが指揮を執るフィリーズら複数の球団が田中に関心を寄せてはいるものの、合意に達していないのは右肘の状態を不安視しているからだという。
田中は渡米1年目の2014年に右肘靱帯に損傷が見つかり、患部を修復するトミー・ジョン(TJ)手術ではなく、PRP(多血小板血漿)療法を選択。同年のシーズン終盤に復帰したが、ニューヨークのメディアなどから毎年のように肘の不安がささやかれてきた。
ラガッゾ氏によれば、田中はヤンキース以外の球団とも交渉を続けているが、「複数の球団がメディカルチェックの結果を懸念しているようだ」としている。
田中はメジャー通算78勝46敗、防御率3・74。日本人投手最多の4度の開幕投手を任されるなど、名門球団でエースを務めたこともある。米移籍情報サイト「トレード・ルーモア」のFAランキングによれば、先発投手部門でサイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアー(29=前レッズ)に次ぐ2位の位置付け。それなりに評価されながら新天地が決まらないのは、多くの球団が右肘の状態に難色を示しているからだろう。そう考えれば、どの球団より田中の肘の状態を把握しているヤンキースが再契約に二の足を踏んでいるのも納得だ。