DeNA助っ人10人全員不在で開幕…試される若手選手の本気度
災い転じて福となればいいのだが……。
助っ人10人全員来日未定、開幕不在という緊急事態に見舞われているDeNA。世界中で猛威を振るうコロナ禍でビザ取得ができず、来日のメドすら立たない状況だという。仮に日本に来られたとしても2週間の隔離期間を経て、二軍で調整をしなければならない。一軍合流時期はまさに「神のみぞ知る」といったところだ。
三浦新監督は、昨季まで指揮を執っていたラミレス前監督のオフェンス重視から、ディフェンス重視のスモールベースボールに方針転換の真っ最中。そこにきて、2018、19年本塁打王のソトと昨季20本塁打のオースティンがいなければ、いよいよ打線が小粒になりかねない。投手陣だって勝利の方程式の一角を担っていたエスコバー不在は大きな痛手だ。
三浦監督は「ポジティブに捉える。若手はチャンスだと前を向いてほしい」と話しているが、評論家の山崎裕之氏は「監督としてはそう言うしかないですからね」と、こう続ける。
「苦しい船出になりますが、三浦監督が言うように『よし、ポジションを掴むチャンスだ!』と選手が奮起しなければウソです。特に控えの選手は口にこそ出しませんが、ポジションのかぶるレギュラーに対しては『ケガでもしないかな』と心の中で思っているもの。今回の件も、そうやって選手が目の色を変えればチーム底上げの良いチャンスになる。ただ、我々の現役時代と違い、今の選手は多少の違和感でもすぐに休んでしまう。スポーツ医学も発達しているのでそれが悪いこととは言いませんが、チャンスはいつでもあるわけではないことは念頭に置いてほしい。チーム内の争いに勝てなければ、他球団と戦う以前の問題です」
助っ人不在で激化するDeNAのレギュラー争い。若手は多少の無理も乗り越える必要がありそうだ。