五輪ありきで4月に“鎖国解除” 高まる「変異株」流行リスク
25~61%の確率で免疫回避
入国者を増やせば、それだけ変異株の流入リスクが高まる。特にヤバイのが、ブラジル由来の変異株だ。
埼玉県は8日、県内で20人が変異株に感染したと発表。うち18人がブラジル由来の変異株だとみられている。同変異株が猛威を振るっているブラジルは現在、1日の新規感染者数が米国を超えてワースト1位、1日の死者数は2000人近くに上っている。
惨劇の原因は、その感染力の強さだ。国立感染症研究所は、「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について(第7報)」と題した報告書(8日公表)で、ブラジル型について〈1.4倍から2.2倍伝播しやすく、既感染による免疫を25~61%回避可能である〉と指摘。次のように警鐘を鳴らしている。
〈今後、社会における接触機会の増加や、感染対策の緩みが生まれることで、これまでより顕著にVOC(変異株)の流行が拡大するリスクがある〉
ブラジル型は免疫を回避するため、ワクチン効果への影響も心配される。いまブラジルは夏だ。日本もこれから暖かくなる上、21日には宣言の期限を迎える。ブラジルの“二の舞い”にならないよう、第4波に備えた方がいい。