北京冬季五輪は米中関係がカギを握る…再び「政争の具」に

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「米国には『政治とスポーツは別物』という考えはない。東西冷戦時代の1980年モスクワ五輪のボイコットがいい例です。率先して五輪を政治利用して、当時の西側諸国を巻き込んだ。近年は中国が多大な力を持ってきたため、米中関係は、冷戦時代に似てきた。米国は難問の交渉を有利に運ぶため、北京五輪のボイコットをちらつかせたりしないか、心配です」

 一方の中国は、コロナや大気汚染などで悪くなったイメージを早急に改善したい。北京五輪開催もそうだし、東京五輪を前に、世界で不足しているコロナワクチンをIOC(国際オリンピック委員会)に提供すると言い出したのも、その一環ともっぱらだ。それと同時に、途上国へのワクチン外交でアフリカなどに「仲間」を増やしている。

 北京五輪の開幕まで1年を切っている。「まさかボイコットはないだろう」と楽観視している人もいるだろうが、旧ソ連のアフガニスタン侵攻をきっかけにモスクワ五輪ボイコットを決めた米国に日本が追随し、正式に不参加を決めたのは開幕まで2カ月を切ってからだ。コロナで五輪の歴史が変わった今、何が起きても不思議ではない。

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