撤退続々…マラソン日本の「固有財産」を潰した真犯人は?
日本のマラソンはどこに行くのか――国内で最も伝統のある「びわ湖毎日マラソン」に続き、多くのドラマの舞台となった「福岡国際マラソン」も今年を最後に撤退することが決まった。これで、東京国際マラソン(1981~2006年)とともに、マラソン人気を牽引してきた伝統の舞台がすべて姿を消すことになる。
びわ湖は76回、福岡国際は75回。これだけの足跡を持った大会は世界にもそうはない。特に福岡国際は、1897年に始まったボストン、1909年のウィンザー(96年にロンドンに吸収)、24年のコチツェ(現スロバキア)と並んで世界4大マラソンのひとつとしての権威を誇ってきた。
■老若男女の夢と話題
90年代のケニア勢の参入、今世紀に入ってからの大衆マラソンの隆盛で、エリートマラソンは参加者3万人を超す現在の東京マラソン、大阪マラソンなどの陰に追いやられ、スポンサー離れが進んでいた。日本陸連・尾縣貢専務理事はいまさらこう説明する。
「情勢は年々厳しさを増し主催者はこれまで大変な苦労を重ねて開催してきたが、継続は困難との結論に至りました」