東京五輪「男子100m」日本代表に立ちはだかる「9秒8台」のカベ
だが、一足先(6月21日)に行われた米国の五輪選考会を見ると、レベルの違いを痛感する。
1位のトレイボン・ブロメルの時計は9秒80。2位ロニー・ベーカー9秒85、3位フレッド・カーリーも9秒86。4位のケニー・ベドナレクでも9秒89だった。
9秒8台というのは、五輪のメダル争いでは絶対条件といえる。
前回のリオ大会は、金ウサイン・ボルト9秒81。銀ジャスティン・ガトリン9秒89。銅アンドレ・デグラッセ9秒91。
近年は日本選手も9秒台が続出し、レベルが上がってきた。五輪で準決勝に進むことができても、9秒台後半の記録では決勝に進むのが精いっぱいだ。
とはいえ、五輪の100メートルはファイナリストになるだけでも立派なもの。日本選手が五輪の決勝に進んだのは1932年ロサンゼルス大会6位の吉岡隆徳が最後。89年ぶりの「快挙」となるのだが……。