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羽川豊プロゴルファー

1957年栃木県出身。79年日本学生ゴルフ選手権優勝。翌80年にプロテストに合格すると、ルーキーイヤーの81年は日本オープン、日本シリーズに優勝。同年代の湯原信光、倉本昌弘とともに「ニューウェーブ三羽烏」と呼ばれた。82年にはメジャーのマスターズから招待され、初出場で15位。「世界最強レフティー」と絶賛された。現在はシニアツアーでプレー。テレビ解説者としても活躍している。

日本の若手にもキム・ソンヒョンのような高い目標を持って欲しい

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 先輩たちが切り開いたレールに乗って、キムも世界で戦おうとしているのです。

 日本にも星野陸也金谷拓実と海外を目指す選手が出ていますが、まだ少ない。やはり、海外のコースや選手のレベルを知らず、経験不足の部分が大きい。海外で力を発揮できるか、どこまで通用するのかわからず、不安な部分が多いのでしょう。それだけでなく言葉や環境の違いもあります。

 もちろん、「海外で頑張るんだ」という強い気持ちがなければ戦えません。米ツアーの松山英樹小平智、欧州の川村昌弘のようにトッププロと毎週のように戦っていれば、自信もつき、メジャーでも気後れしなくなります。

 いま、PGAツアーはスポット参戦で好成績を残すか、下部ツアーで好成績を出すしかメンバーカードを取得できないシステムです。下部ツアーといっても競争は激しく、その壁を乗り越えていかなければPGAツアーで戦えません。厳しい環境のなかでもまれることで練習内容も気持ちの持ち方も変わってきます。

 日本にも力のある若手はたくさんいます。ただ、普段の練習ラウンドで好スコアを出しても、大勢の観客に見守られてのプレーでは焦ってしまい、力を出し切れないケースもあります。ギャラリーに見られて強くなるのが一番いい。何事も経験がすべてです。

 日本の若手にとって海外挑戦は漠然とした夢かもしれません。しかし、自分から高いステージに飛び込まない限りチャンスをつかむことはできません。

 キムのような確かな目標を持つ、そんな日本選手がもっと出てきて欲しいと思います。

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