【バド男子】桃田賢斗が狙う5年越しの頂点…度重なる不祥事、不運乗り越え実力発揮なるか
桃田賢斗(26歳・バドミントン男子シングルス)
「この5年間を振り返ると正直、五輪に出場できないのではないかと思うこともあった」
自身の過去についてこう振り返っている。
違法カジノに手を染めて資格停止処分、2016年リオ五輪への出場が絶たれた。その後も不運に見舞われ、20年1月のマレーシア遠征では交通事故に巻き込まれ全身打撲、右眼窩底(がんかてい)骨折などの重傷を負い、一時は選手生命の危機に。同年12月の全日本総合選手権で戦列復帰を果たし、世界ランキング1位をキープし続けたが、今年1月には新型コロナウイルスへの感染が判明。本人も含めた日本代表は予定していたタイでの国際大会への出場辞退を余儀なくされた。
■前哨戦で格下相手に敗退
五輪、世界選手権に次ぐ格付けで、東京大会の前哨戦と位置付けられた今年3月の全英オープンでは、準々決勝で当時世界10位のリー・ジージャ(マレーシア)にストレート負け。五輪本番に向けて不安を残した。しかし、この敗戦が桃田には薬になったという。
長らく世界ランク1位をキープし続けた慢心もあり、自分が得意とする「ディフェンス中心の試合運びをすれば勝てる」とたかをくくっていたからだ。五輪が1年延期されて桃田同様、海外勢も強化する時間が増えた。昨年はコロナ禍で国際大会が中止となり、トップ選手の多くは技術向上に努め、同時に徹底して桃田対策に励んできた。