藤川球児だけじゃない シブく輝く「虎の松坂世代」たち
また、リリーフといえば荒れ球の左腕・江草仁貴も松坂世代だ。個人的にはもっと評価されていい投手だったと思う。制球はアバウトだが、力強い真っすぐが魅力的で奪三振率も高かった。
全盛期は05~09年の5年間か。このうち50試合以上登板が4回あり、キャリアハイは07年の5勝0敗5H、防御率1・95。普通のチームならリリーフエースとして脚光を浴びてもよさそうな成績だが、同じ時代にJFKがいたため、どうしてもワンランク下の扱いをされていた。
一方、先発投手の杉山直久も虎の松坂世代だった。02年のドラフト自由枠で入団し、背番号18を与えられたエリート右腕。当然、将来のエースと期待され、05年のリーグ優勝時は9勝6敗、防御率2・94の好成績を残した。正直、もっと伸びる投手だと思っていたのだが、現在の青柳晃洋よろしく、先発登板が雨で流れることが多い不運な面があり、翌年以降は伸び悩んだ。今でもちょっと悔やまれる投手だ。
最後が久保康友。社会人を経て04年のドラフト自由枠でロッテに入団したときは松坂世代最後の大物と呼ばれ、ルーキーイヤーからいきなり2桁の10勝を挙げる活躍で新人王を獲得した。