野球「金」甲斐拓也<2>キャッチャー冥利に尽きた日ハム・伊藤大海の度胸
甲斐拓也(28歳、野球、金メダル/ソフトバンクホークス・捕手)
東京五輪で甲斐が最も重視したのが、投手とのコミュニケーションだ。
「投手に捕手の意図を伝えるのは大事ですからね。いつも以上に気を配りました。もし、投手が『このサインで大丈夫か?』とわずかに不安を感じただけでも、100%のボールでなくなるんです。僕の思っている相手打者ひとりひとりのイメージを伝えて、先発投手なら『こんな感じで組み立てていこう』と、事前にしっかりコミュニケーションをとってサインの意図をしっかり伝える。そうすると『ここでインコース? ああ、さっき甲斐が話してたな』と納得してくれる。それが信頼を築く、不安を取り除くということ。これは意識してやっていました」
【写真】この記事の関連写真を見る(36枚)
とはいえ、コロナ禍の中で行われた東京五輪。額を寄せ合って事前に相談……というのも難しかった。