新関脇・明生にかかる「大関不在回避」の期待 貴景勝と正代には常に陥落の可能性が
大関の灯を絶やさず、次につなげられるか。
8月30日に発表された大相撲9月場所の番付。そこで新関脇に出世したのが明生(26)だ。中卒で立浪部屋に入門し、腰のヘルニアに悩まされながらも稽古に邁進。徐々に番付を上げ新小結だった先場所を8勝7敗で勝ち越した。
会見では「大関への足がかりをつくりたい。ここからが大事」と、さらなる昇進に意欲を燃やしている。
角界では明生にかかる期待は大きいという。貴景勝と正代の2大関はいつ陥落してもおかしくないからだ。
貴景勝は実力こそ申し分ないが、とにかくケガの多い力士。これまで何度も足の故障に悩まされ、先場所は頚椎を痛めて途中休場。9月場所は4度目のカド番だ。正代はそもそも力不足で、大関でいられるのが不思議なくらいだ。
「今の土俵はドングリの背比べ。突出した力士はほとんどおらず、明生を除けば将来大関に昇進できそうなのは琴勝峰と豊昇龍の22歳コンビくらい。とはいえ、2人ともまだ時間がかかるでしょう。琴勝峰は『底が知れない。順調なら横綱も間違いない』と言われていたが、幕内の壁にぶち当たったのか、ここのところ足踏みしている。豊昇龍は元横綱の朝青龍の甥っ子で、身体能力も叔父さん譲り。それでもまだ相撲が粗削りであること、軽量の132キロがネックになっている」(若手親方)
彼らが昇進するのを待っていたら、史上3度目の大関不在時代となりかねない。明生にはそれを阻止してもらわなければ困るというのだ。
一方で、不甲斐ない大関なら、いない方がマシ。相撲協会は和製大関誕生が近づいても昇進基準を緩めてほしくないものだが……。