原監督「続投」報道に巨人ファン怒りと失望…選手疲弊し組織硬直化で夢も希望もなし

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 先週6日に日刊ゲンダイが既報したように、巨人の原辰徳監督(63)が来季も続投する方向だ。10日に日刊スポーツも報じた。

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 原監督は今季が3年契約最終年。昨年までセ・リーグ2連覇を果たし、通算14年で9度のリーグ優勝、3度の日本一という実績は他の追随を許さない。編成権を託された「全権」だけに、11日のドラフト会議の指名も、意向が強く反映されるという。

 が、本当にそれでいいのか。ここにきて巨人が考えられないほど弱い。

 10日の広島戦は、リーグトップタイの11勝を挙げている高橋が先発したものの、5回途中6安打3失点。打線の援護も丸の一発による1点のみで8敗目となった。敗れた巨人は5日のヤクルト戦から今季ワーストタイの6連敗。9月に2分けを挟んで6連敗と5連敗があり、9月以降のシーズン終盤に3度も5連敗以上を喫したのは球団史上で初めてのことだ。 

 9月以降、中4日、中5日での登板を強いられる先発陣や登板過多の救援陣は疲労困憊。9日の試合では岡本がベースを踏み忘れてアウトになるという珍しいミスを犯した。例年なら9月以降に強さを発揮するが、まるで原監督を辞めさせたいのではないか、と勘ぐりたくなる弱さである。

 残り9試合で首位ヤクルトとは10.5ゲーム差の3位。V逸は確実で、なんとかクライマックスシリーズに進出できるかというライン。それなのに「続投」だという。ネット上では「その日暮らしの選手起用と打順編成。衝動的な狂気の投手交代。こんな指揮官の下で、まともにプレーできるか」との書き込みに、1000を超える「いいね」が集まり、「巨人ファンをやめる」「読売の購読をやめる」などとファンの“怒りの声”があふれている。

■「二軍は勝ち負け関係なし」と画期的宣言

 チームには阿部慎之助(42)という有力候補がいる。

 去る5日に二軍監督から一軍作戦コーチに配置転換となった。「監督禅譲」に備え、来季は「一軍ヘッドコーチ」として原監督の帝王学を受けるという。球団内に「一軍監督就任は時期尚早」という声が根強いからだが、「機は熟した」とは二軍関係者だ。

 先日、全日程を終えた巨人の二軍は56勝57敗3分けでイースタン・リーグ2位。二軍の指揮を2年間執った阿部監督はどんな指導をしていたのか。

「『ここは二軍。勝ち負けは関係ない』というのが大前提。常に勝利や優勝が求められる巨人では、これまでは二軍でも勝敗を気にする監督が多かったから、この宣言は画期的だった。阿部監督が『ボールを見ていこう』と設定した打席は見逃し三振OK。あの中田翔にも『打席で1球も振るな』と指示したことがあって『あのクラスなら(バットを振らなくても相手投手が警戒して)フルカウントになる。タイミングを取ってどう見えるか。そういう練習ができるのは二軍しかない』と教えた。同じ要領で『直球だけ打つ』という打席も設けた。狙い球を絞って絶対に打ち損じない集中力を養う練習です。個別に『ここはまっすぐを1球で仕留めてこい』というのもあった。もし打ち損じたら、その後に安打しても評価はゼロ。阿部監督が『黒革の手帳』にメモをして一軍昇格の材料としていた。『今日はサインはなし。自分たちで考えてやってみろ』と指示した時は、さすがにコーチ陣も驚いていました」(前出の二軍関係者)

阿部慎之助が監督ではダメなのか?

 高卒4年目の湯浅大(21)という若手有望株がいる。別のファーム関係者が証言する。

「二軍では遊撃、三塁、二塁と内野全般を守るスタメン、つまりレギュラーの位置付けだが、試合に出ることに慣れてしまっていた。阿部監督は『このままじゃダメになる』と、あえてスタメンから外し、一軍同様に切羽詰まった場面の代打で1打席、たまにスタメン起用という使い方をした時期があった。『一軍と同じ起用法じゃないと本当の準備はできない』と常々話しています」

 二軍では4番を務めることもある香月一也(25)には「『一軍にいったら代打が多いから、二軍ではスタメンで出た時も1球で仕留められなかったら終わりだと思え。常に2ボールのバッティングカウントだと思って1球に集中しろ。もし打ち損じたらアウト。その後にヒットを打っても一軍に推薦しないからな』と重圧をかけて打席に立たせていました」(前出のファーム関係者)と言う。

■「同じ人が長く率いると組織が硬直化する」

 こんな「慎之助式指導法」を二、三軍の若いコーチ陣は「勉強になった」と口を揃える。原監督は2015年限りで幕を引いた第2次政権時、「同じ人が長く組織を率いるのは良くないんだよ。絶対に硬直化するから」と自論を展開したことがある。今まさにチームは硬直化し、選手は倦み疲れ、今季の惨敗によってベテラン監督の神通力も消え去った。なぜ阿部監督ではダメなのか――。続投の方が夢も希望もないのは明らかである。

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