霧馬山の「吊り技」は武器になるか? 合同稽古で師匠直伝の技を炸裂
26日に行われた大相撲11月場所前の合同稽古。師匠譲りの技を炸裂させたのが霧馬山(25)だ。
185センチ、140キロ。自身を体格で上回る193センチ、159キロの輝をもろ差しから吊り上げたから、オドロキだ。霧馬山は今年9月場所、176キロの千代丸を吊り出し、初めてこの決まり手で勝利した。
師匠の陸奥親方(元大関霧島)は現役時代、和製ヘラクレスと呼ばれた筋骨隆々の肉体を武器に、千代の富士を吊り出したこともある吊り技の名手。とはいえ、当時と現在では力士の体重が違う。
霧島が活躍した90年代は幕内平均体重が150キロ前後だったが、現在は160キロ以上。栃ノ心のように、相手を吊り上げた際にヒザを負傷するケースもある。
「腕力で強引に持ち上げようとするからケガをする。吊りに必要なのは主に足腰の強さ、背筋力、体のバネ。霧馬山はそれらを兼ね備えており、吊り方もいい。陸奥親方もそうだったように、中腰で下から自分の腹の上に乗せるように持ち上げている。あれならケガの心配はない」(ある親方)
吊り技の後継者として期待できそうだ。