6年ぶりVのヤクルトは“0勝5分け”でも日本Sへ…CS戦は引き分けの多さと地の利が追い風に
27日、セ・リーグがクライマックスシリーズ(CS)の概要を発表した。ペナントレースと同様、「延長なし九回引き分け打ち切り」を続行。引き分けの場合も再試合は行わない。このルールが大きな追い風となりそうなのが、6年ぶりとなるリーグ優勝を果たしたヤクルトだ。
2年連続最下位からの大躍進。前年までは投手陣の崩壊に悩まされていた。昨季は両リーグワーストのチーム防御率4.61、589失点。投手出身の高津監督と伊藤投手コーチの育成、起用法が奏功して「投壊」を食い止めた一方で、今季コロナ対策のために導入された「延長なし九回打ち切り」も追い風になった。延長戦がないことで投手の負担は軽減され、投手層が薄いチームにとってはプラスに作用した部分もある。
CS導入後の2007年以降、ヤクルトがCSに進出したのは5回あるが、日本シリーズに進出したのは優勝した15年だけ。中日、巨人と戦った残り4回は、いずれも短期決戦に不可欠といわれる投手力が高いチームに屈した。
しかし、今季は延長なしのペナントレースで引き分けを量産。巨人に次ぐ18分けで、高い勝率をキープした。勝利数(73勝)は2位阪神より4も少なかったものの、投手陣の粘りもあり、負けにくいチームだったことが大きい。