不動の横綱・照ノ富士を脅かすのは「技よりパワー」 大栄翔の強烈な押し相撲に大苦戦

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 192センチ、184キロ。この巨漢の横綱照ノ富士(29)を倒すにはどうすればいいか? そのヒントを提示したのが、大栄翔(28)だ。

 15日は結びの一番で横綱と対戦。立ち合いから押し相撲で圧倒し、一時は横綱がつま先立ちで徳俵に足をかけるところまで追い詰めた。しかし、抱え込まれて横に振られ、最後はすくい投げで土俵に転がされた。

■先場所は金星献上

 大栄翔は先場所、照ノ富士から金星を挙げたばかり。その時と同じように、この日も強烈な押しとノド輪で苦しめた。同じく先場所で横綱を破った明生、破れはしたものの追い詰めた玉鷲もノド輪を駆使していた。多くの力士があの手この手で挑んでいるが、ノド輪が効果的な武器となりうるのか。

 親方のひとりは「そういうわけではありませんよ」と、こう続ける。

「照ノ富士は奇策や素早い相撲に動じない力士。初日の霧馬山は腕を巻き替えながら攻めていたが、横綱の腰はどっかり据わり、一切慌てていなかった。本人も取組後に『冷静に相撲が取れた』と言っていましたからね。そんな不動の横綱を動かすためには、技より力。この日の大栄翔のように立ち合いで先手を取って強く当たり、後退させる。その時、初めてノド輪が生きる。下がった時に繰り出せば、横綱の上体を起こすことができますからね。バクダンを抱えている両ヒザは、後退して踏ん張るときに最も負担がかかりますから」

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