全豪OP4連覇狙うジョコビッチ 特例から一転「ビザ取り消し入国拒否」の全舞台裏
「豪州は検疫に厳しい国として歴史がある。1956年のメルボルン五輪では、検疫に半年間を要するという法律があったため、馬術だけスウェーデンのストックホルムで開催したほどです」
一方で、州や大会本部がジョコビッチら一部選手のワクチン接種免除を認めた背景には、厳しい現実もあるという。
「ジョコビッチは昨年、グランドスラム通算20勝を達成し、ナダルとフェデラーに並んだ。今年はその記録を塗り替えるのが確実といわれ、最多優勝9回の記録を持ち、4連覇のかかる全豪OPはそのスタート。ジョコビッチに対する注目度は非常に高かった。女子ではセリーナ・ウィリアムズが欠場するなど、目玉選手が減って、大会本部や(メルボルンのある)ビクトリア州がジョコビッチにすがりたい気持ちが強かったのは確かでしょう。メルボルンという街そのものが全豪OPで大きくなっていった背景もあり、焦りがあったのかもしれません」(前出の武田氏)
豪州は32年にブリスベン五輪が控えている。それまでにコロナが収束していても、厳格なチェックは続くだろう。東京五輪で水際対策がザルだったことを露呈した日本とは対照的だ。