阪神でコーチから編成部に異動…FA補強、戦力分析、トレードなどを担当
阪神の捕手は現監督の矢野燿大が大ベテランになり、野口寿浩、狩野恵輔、浅井良らが2番手を争う群雄割拠の時代だった。私は日本ハムの今成亮太に注目した。浦和学院から05年高校生ドラフト4巡目で日本ハム入り。捕手として打撃も良かったが、一軍には鶴岡慎也、高橋信二が君臨していた。私が練習場に行くと、日本ハムのコーチに「今成はどうしたらいいですかね? 他球団なら活躍できるでしょうか?」などと相談を受けることがあった。
09年には東洋大からドラフト1位で捕手の大野奨太が入団することが決まり、今成はさらに肩身が狭くなることが予想された。私はこの時、アマチュア選手を見るスカウト課へ配置転換になるのだが、その前に編成部長にこう提案した。
「日本ハムの今成は、今こそくすぶっていますが、性格は明るいし、捕手として打撃もいい。ウチに合うと思うのでトレードで取ったらどうでしょう?」
しかし、その後も両球団に動きはなかった。