日本ハムは今季初のカード勝ち越し 佐々木朗希の“圧巻投球”に引っ張られ相乗効果
17日のロッテ戦、延長十回に途中出場の万波がバックスクリーンにドカンと一発、たった1安打で劇的勝利をつかんだのが佐々木朗希と対戦した日本ハムだ。
中でも投手陣がロッテに度々出塁を許しながらも粘りに粘り、無失点に抑えたことが勝利につながった。
この日の先発はエース上沢直之(28)。七回まで被安打4、8三振を奪う気迫のピッチングを見せた。続く堀、北山、宮西にしても、走者を出しながら粘投、佐々木朗希を援護したいロッテ打線に得点を与えなかった。
「佐々木朗希の圧巻投球で、敵ながら相乗効果が生まれたのではないか」とは、東映時代の1971年に完全試合を達成した高橋善正氏(評論家)。
「やっぱり投手は『勝ちたい』という強い気持ちがある。パーフェクトに抑えられて得点が望みにくい以上、こっちだって1点たりとも与えることはできない。嫌でも気合いが入ります。野手も同じことが言える。守備に対する意識が自然と高くなるのです」
実際、この日の日本ハムの失策数は0。というより、昨季は76失策でリーグワースト(12球団でワースト4位)と課題だったザル守備返上に向け、「守備で魅せるチームを作る」と意気込む新庄監督(50)の構想が浸透しているのか、開幕から18試合でわずか6失策。12球団で3番目に少ない数字を保っている(数字はいずれも18日現在)。
「1安打で勝つ試合を60試合くらいしたい」と言っていた新庄監督は、「こういう野球、ものすごくしたかった」と興奮しきりだった。佐々木朗希に引っ張られるようにして、理想の形で今季初のカード勝ち越し。今回の対戦で弾みを付けて上昇気流に乗っていきそうな気配だ。