鈴木誠也が週間MVP初選出も…カブス首脳陣が気を揉む「福留の二の舞」
2008年に4年約53億円で入団した福留孝介(現中日)は、鈴木と同様に開幕から華々しい活躍を見せた。4月は打率.305、21得点、出塁率.416をマーク。一時は1908年以来遠ざかっていた「ワールドシリーズ制覇の使者」と持ち上げられたが、やがて失速。7月には打率2割台前半まで低迷した。
地元シカゴでは鈴木の活躍に「福留の二の舞いにならないか」と不安の声も聞こえてきそうだが、現首脳陣には同じ轍を踏まないよう十分な配慮がうかがえる。
当時のピネラ監督からリードオフマンに起用されて待球、エンドランにバントなど多くの小技を求められた福留とは対照的に、ロス監督はまず鈴木のメジャーへの適応を優先させた。鈴木はオープン戦こそ、1打席でも多く立つため主に2番で起用したが、開幕後は5、6番で何も制約を課さず自由に打たせている。
高給取りのスター選手が揃い、「ヤギの呪い」の呪縛からの解放に期待が高まっていた福留在籍時とはチーム状況も異なる。昨季途中から主力を相次いで放出した今季のカブスは若手主体の編成で、チームを再建中だ。ジェド・ホイヤー編成本部長が「彼がメジャーに順応するまで痛みを伴うかもしれないが、心構えはできている」と話した通り、早急に結果を求めない球団の姿勢も鈴木には吉と出そうだ。