10.19Wヘッダー2試合目の先発・高柳出己はビールを引っ掛けて勝利投手になったことも
で、結果が伴わなかったときに、投手コーチの権藤博さんが一計を案じた。普段はおとなしいが、飲めば気持ちが大きくなる。ならば酒を飲んでから投げればいいじゃないかと。
■トレーナー室の冷蔵庫
藤井寺球場のトレーナー室には、冷蔵庫があった。トレーナー室の奥が裏方さんたちのロッカーになっていて、冷蔵庫には彼らが飲むつもりの缶ビールが入っていた。超ミニ缶と呼ばれる135ミリリットルのやつ。
それを権藤さんは高柳に渡し、「景気付けに一杯、飲んで行ってこい!」と送り出したのだ。ビールを引っ掛けてからマウンドに上がった高柳は勝利投手になった。
もちろん、優勝のかかった最終戦を前にビールを飲めるはずもなく、高柳がガチガチのままマウンドに上がったのは想像に難くない。
その高柳は二回、この回先頭のマドロックに本塁打を打たれた。1試合目に続き、2試合目もロッテに主導権を握られたまま、試合は中盤に入っていく。