巨人坂本“一塁コンバート秒読み”の波紋 23年ドラ目玉「花巻東・麟太郎指名回避」もあり得る

公開日: 更新日:

 右膝内側側副靱帯損傷で離脱中の巨人・坂本勇人(33)が25日、プロアマ交流戦・テイエステック戦に「3番・DH」で出場。25日ぶりに実戦復帰を果たした。

 1打席目は遊ゴロ、2打席目は二飛。それでも「やっぱり野球は楽しい。早く一軍の戦力として戻りたい」と明るい表情だった。

【写真】この記事の関連写真を見る(07枚) 

 4月30日の阪神戦の守備の際に右膝を負傷。5月1日に登録を抹消された。当初は時間がかかるとみられていたが、今月中旬にフリー打撃を再開。想定より早い6月前の実戦出場となったものの、「一軍のショートのポジションで動けるのかっていうのはちょっと。少しかかるのかなってというのが正直なところ」と慎重な姿勢を見せた。さるチーム関係者がこう言う。

「もう33歳だし、再発が何より怖い。首脳陣は今後、いかに長く坂本の打撃力を生かすかを考えています。動きの激しい遊撃の守備はもう厳しいかもしれない。後継者候補の高卒2年目・中山礼都(20)や同4年目の増田陸(21)が一軍に食らいついていることもあって、坂本の遊撃はいよいよ卒業が近づいているとみられています。かつては、いずれ三塁へコンバートされるといわれていたが、今や不動の4番打者に成長した岡本和が君臨。昨年ゴールデングラブ賞を取ったこともあって、三塁はもう動かせない。そうなると、行き場は一塁しかありません」

 そんな坂本の未来とリンクしているのか、一塁が本職の中田が、前カードの阪神戦から左翼の練習を開始した。交流戦で送球に難のあるウォーカーがDHに入る際のオプションの意味合いが強いとはいえ、今後、坂本が一塁へ転向する際に、中田が左翼も守れれば、という原監督の思惑も見え隠れする。

「実は熱量は高くない」

 ただ、坂本が一塁専任になれば、困ったことになる。来年ドラフトの目玉候補で花巻東の佐々木麟太郎(2年)の指名にも影響してくるからだ。

 佐々木は24日に行われた春の岩手大会準々決勝で高校通算67号を放った。まだ2年生だけに、歴代1位の清宮(日本ハム)の通算111本超えも視野に入れる。

 前出の巨人関係者が続ける。

「これから東北担当スカウトが麟太郎に密着する予定はあるものの、実は幹部の熱量はあまり高くありません。もちろん長打力の魅力はあるけど、現時点で一塁しか守れないことがネックになっている。一塁は助っ人が守ることが多いし、これから坂本が回る可能性があるなら、なおさら出る幕はないでしょうから」

 もちろん、佐々木が今後、清宮のようなフィーバーを巻き起こすようなら、「甲子園のスター」が好きな巨人のスカウト内部で意見が紛糾する可能性はある。坂本の一塁コンバートは、チームにさまざまな問題を起こしそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…