あの「10.19」から1年後…パ・リーグ優勝争いはまたしてもダブルヘッダーに
■1試合目の先発は試合直前まで決まらなかった
バスで立川の宿舎を出発しても、西武球場に着いても、練習が始まっても1試合目の先発が決まらない。私と高柳のどちらが投げるか分からないのだから、2人とも第1試合に合わせて準備をするしかなかった。
当時の西武球場は監督室とトレーナー室がほぼ一体になっていて、私と高柳が2台のベッドに横になり、2人でトレーナーのマッサージを受けていた。ちょうど、そのタイミングで仰木監督が入ってくると、「おお、2人ともやってるやってる」と言ったきり、出て行ってしまった。
もう、さっさと決めてくださいよ、というのが私たちの本音で、もどかしい気持ちになったことを覚えている。
だれに伝えられたかは忘れたが、しばらくして1試合目は高柳が先発することになった。つまり私は2試合目。普段のナイターであればまだ寝ている時間だし、張り詰めた気持ちをいったんほぐそうと思った。
「あっ、1試合目はおまえか。頑張れよ」