レイズの「プライドナイト」が浮き彫りにした米国社会の保守的側面
だが、6月4日にレイズが対ホワイトソックス戦で主催した「プライドナイト」では、レイズの5選手が虹色のロゴマークが使用された帽子とユニホームの着用を拒否した。
その中の1人、ジェイソン・アダムがユニホームなどを着用しなかった理由として「信仰上の理由」を挙げると、SNS上ではレイズの取り組みを評価する声が上がる一方で、「『プライドナイト』は政治的な動きで、分断を生んでいる」といった球団への批判も起きた。
確かに、性の多様化への理解が進んでいるとされる米国においても、誰もが「プライド月間」に無条件に賛同し、あるいは共感しているのではないという現実がある。
しかし、アダムが「信仰上の理由」としたことは、主義や主張に先立つ、より素朴な心情が行動の背景にあることを示している。
人間は生物の進化の過程で誕生したという進化論は、疑いようのない事実のように思われる。
しかしながら、米国では人間は神が想像したという創造論の信奉が根強く、世論調査で「進化論を信じる」と答えた者が半数を超えたのは2015年のことだった。