ヤクルト村上宗隆のメジャーでの市場価値は「3年40億円」 すでにゴジラ松井秀喜超え!
若き4番が文句なしの選出だ。
13日、セ・パ交流戦で優勝したヤクルトの村上宗隆(22)が交流戦MVPを受賞。「この優勝、MVPを励みにさらに頑張りたい」とコメントした。
■チームは交流戦優勝でMVP受賞
昨季39本塁打で本塁打王のタイトルを獲得、リーグMVPにも選ばれた村上は、今年の交流戦で打率.351、6本塁打、13打点をマーク。出塁率.507は12球団トップだった。今季の通算成績も交流戦終了時点で19本塁打、53打点、出塁率.437のリーグ3冠。打率.295で、2020年(.307)以来の3割を視野に入れている。
最大の持ち味は逆方向へ安打、長打を打てることだ。10日のソフトバンク戦では、日本のエース・千賀の内角低めの157キロ直球を強振。高々と放物線を描いた打球はホームランテラスを越え、左翼席へ着弾。周囲の度肝を抜いた。
今季19本塁打の打球方向を見ると、左翼が最も多い8本塁打。中学時代からセンターから左翼方向へ強い打球を打つ意識を持ってきたことが今の打撃につながっている、と本人も自覚している。ヤクルトOBが言う。
■打席での自制心が強い
「ここにきて状態が上がってきましたけど、今季はキャンプ前にコロナに感染。キャンプの一軍合流は2月下旬にズレ込んだ。思うような調整ができず、オープン戦は17試合で打率.244、1本塁打、6打点。開幕前は状態を心配する声も少なくなかったが、決して調子が万全ではなくとも結果を残せるのが村上の凄いところ。練習から基本を大切にし、決して手を抜かず、ティー打撃では100%のスイングを心掛けている。打席では『自制心』が強い。相手投手を研究して球種を絞り、外角球を逆らわずに逆方向へ打つなど、決して強引に引っ張りにいきませんから」
「もちろん、そのステージに立ちたい」
向上心も高い。
「継続して好成績を残せるようにと、常により良いフォームを追い求めている。キャンプから構えた際のグリップの位置をやや下げる新フォームに挑戦。バットをインサイドアウトで出してセンターから逆(左翼)方向へ打ち返すことを心がけている。今もグリップの位置を上げたり下げたり試行錯誤を繰り返している、と聞いています」(前出のOB)
そんな村上は、アマ時代からメジャー志向が強いといわれている。今年1月のテレビ番組ではメジャー挑戦に関して、「まだ今は下積み」としつつ、「挑戦できる選手は少ない。プロ野球の中でも、権利を与えられる選手は少ないんで。もちろんそのステージに立ちたいなっていう思いはあります」と語った。コロナ前は元メジャーリーガーの先輩・青木宣親(40)と米国で自主トレを行い、さまざまなことを吸収。メジャーが身近な存在になりつつある。放送局関係者が言う。
「打撃の参考になればと、動画サイトでエンゼルスの大谷翔平やメジャーリーガーの打撃を見て、練習で試すことがあるそうです。よく食べ、よく鍛えている188センチ、97キロの体格はメジャーリーガーに見劣りしない。昨夏の東京五輪では決勝戦で勝敗を決める本塁打を放つなど大舞台でも力を発揮できる強靱なメンタルもある。昨季まで2年連続で2ケタ盗塁をマークするなど、俊敏性も兼ね備えています」
■メジャー移籍は最短で2028年
そんな村上が海外FA権を取得しての移籍となると最短で28歳を迎える28年だが、すでにメジャーからも高い評価を得ているという。メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏は「最大で3年3000万ドル(約40億円)規模の市場価値があるとみています」と、こう続ける。
「昨オフ、カブスの鈴木誠也が5年100億円の大型契約を結びましたが、そもそもの評価は『3~4年総額50億円前後』といわれていた。昨オフのFA市場はメジャーで走攻守が揃ってセンターが守れる人材が少なかったため、巨額契約となりましたが、あくまで例外とみていいでしょう。日本人の左の強打者では19年オフに、パイレーツの筒香嘉智がレイズと2年総額1200万ドル(約16億円)、パドレスの秋山翔吾がレッズと3年総額2100万ドル(約28億円)で契約した。村上が仮に今オフ、メジャー挑戦した場合、中軸候補として獲得に乗り出す球団はいくつかあるはずです。22歳とかなり若いですし、カブス、マリナーズ、パドレス、ブルージェイズなど、左の長距離砲が補強ポイントになっているところが手を挙げる可能性は十分にあります」
3年40億円といえば、松井秀喜が02年にヤンキースと結んだ3年総額2100万ドル(約28億円)をも上回る。22歳の村上がメジャー挑戦した場合、いわゆる「25歳ルール」でマイナー契約になるため、大型契約は結べないが、来春に予定されているWBCで日本代表に選出されるのは決定的。東京五輪のようなパフォーマンスを発揮できれば、さらに米国の編成幹部の評価、認知度が上がり、市場価値が一層、高まるに違いない。