大谷放出にエ軍オーナーが二の足踏む「本当の理由」 “二刀流”の宣伝効果絶大で球団ガッポリ
日本時間8月3日のトレードデッドラインが目前となり、エンゼルス・大谷翔平(28)の周囲が騒がしくなってきた。
大リーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシ記者は24日、複数の球団から大谷のトレードを打診されたが「エンゼルスはトレード期限までにスーパースターを放出する考えを持っていない」と報じた。
現地の複数の情報を総合すると、大谷について他球団からの問い合わせが殺到したものの、ペリー・ミナシアンGMは二刀流の去就に関して一切、返事をしていないのだという。
ここにきて、フロントも慌ただしくなっており、ミナシアンGMは連日のように編成スタッフとの会議や打ち合わせを頻繁に行っている。25日までの敵地アトランタでのブレーブス戦は普段、遠征に帯同しないジョン・カルピーノ球団社長が視察。現地では「ブ軍フロントとの間でトレード交渉が行われたのではないか」とまことしやかにささやかれた。
■エンゼルスにとっては「金のなる木」
依然として、二刀流のトレード話が絶えない中、地元紙ロサンゼルス・タイムズは22日、球団ビジネスに欠かせない存在だけに放出はあり得ないとの見方を示した。記事ではエ軍のマーケティングに詳しい関係者の話として「球団は年間約1000万ドル(約13億7000万円)にのぼる大谷関連の収入を手放すことに消極的だ」という。
エ軍にとって大谷は確かに金のなる木ではある。2018年に入団して以降は日系企業によるスポンサーが増加。今季から航空関連企業とゲームメーカーの2社が新たに加わり、エンゼルスタジアムに看板を出している日系企業だけでも10社近くにのぼる。
大谷の効果は絶大なのだろう。今年3月に米経済誌フォーブスが発表した大リーグ球団の資産価値によれば、エンゼルスは約3000億円で9位。大谷関連の広告収入などが伸びたこともあり、観客動員は芳しくないものの、昨年の約2760億円から大幅にアップした。アーティ・モレノ・オーナーら経営陣は、投打の二刀流で戦力として期待できるうえ、球団に莫大な利益をもたらす大谷を手放したくないようなのだ。